彩華 濁った血の連鎖 -その8
  
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綾乃が台の上へずらりと並べて見せたディルドと肛門栓の直径は彼女自身の太股と大して変わらない太さであり、ディルドの長さに至っては50cm近くもあって、どうせ股根元まで入れろと言うんだろヤツは…と読んだ僕が妹にその旨の疑問をぶつけてみると、「大丈夫…あそこも、お尻の穴も、お父さんの足をくるぶしまで飲み込めるように拡張してるから…」と何でも無い風に答えた彼女は、「それにコレってバネで縮むんだよ〜」と立てたディルドを上から押し縮めてみせたが、爪先立って思いっきり体重を掛けていたのを僕は見逃さず、その視線の先に気付いて「ヤバッ」っといったバツの悪そうな表情を浮かべた妹は、話題を逸らそうと「それよりさぁ…何で肛門栓にまで電気のコードが生えてるか知りたくない?」と切り出してきた。

そして、初見から確かに変だなと…とおもっていた僕が「なぜ?」と聞くと、綾乃は丈夫そうなゴムのベルトでその二本をやけに厳重に合わせて縛り上げ床に置くと、その尻から出ている丈夫そうなコードを「ON/OFF」と書かれたボタンと大ぶりなダイヤルだけが取り付けられただけの簡素な仕様の割には筐体が鋳物で作られたコントロールボックスに、これもまた妙に丈夫そうな捻じ込みのソケットで接続すると、こんどは箱から生えたコードを壁のコンセントに差し込んだ。

そうやって準備が整い「コレ押してみて…」と手真似する綾乃に促され僕が起動ボタンらしき物を押すと、黒いゴムで覆われた拷問器具は耳を圧するような重低音の唸りを上げ激しく振動しながら、密林を流れる川のよどんだ淵から飛び出して来た謎の生物のように地下室の床を不気味に跳ね回って、ダイアルを最大まで回し切ると地下室に響き渡る唸りは鼓膜が痛くなるほどとなり、予想に反した高さまで飛び上がりながら何かに怒り狂う小さな猛獣のように床の上で暴れまわった。

やがて、もう十分といった顔をしてスイッチを切り台の上へ抱え挙げた拷問器具の梱包を解いた綾乃は、布で埃をぬぐいドロリとした潤滑剤を塗り込んで鈍く光らせたそれを指差すと「この外を覆っているのは導電ゴムでねぇ…ただ振動するだけじゃなくてお腹の中を電気が流れるのよ…」と自慢げにのたまって、何もそこまで…と僕が呆れ顔をしたのも意に介さず「コレにも無期浣腸に使っていたのと同じ高周波バイブレーターが仕込んであるの…で、生コンってたっぷり水分を含んでいるから漏電事故を防ぐため普通は48Vで動く仕様になってるんだけど、特注して100Vで動くようになっているのよ…」と言い放った。

そして肛門栓とディルド連結する金属の輪と合体した二本の凶器を抜け落ちないようコルセットに止める革ベルトを底へ装着する方法を説明すると、床に這いつくばって尻を高く上げ自らの手で尻たぶを開くと「お尻の穴にブチ込んで!お兄ちゃん…」と僕を誘い、肛門栓の先端を易々と飲み込んで最後は少し体重を掛けなければならなかったもののアナルを月のクレーターのように変形させて巨大な栓を根元まで飲み込むと、今度は腹這いになり両足を手で抱え込んで大きく開き恥丘を突き出すと「今度はアソコに突っ込んで!」と貪欲にねだった。

いざディルドの先端を陰唇に埋めてみると、様々な臓物を押し退けるように肛門栓が先に居座っているお腹の中はすでに満杯で、中へ押し入ろうとするディルドを頑強に押し返してきて何とか半ばまで押し込めたものの、そこから先は手で押したのではビクとも動かなくなり、「だからお兄ちゃん足で踏めばいいんだって…」と煽る綾乃に言われるまま靴底で踏み付け体重を掛けてゆくと、長大な凶器はミリミリと内臓を無理やり押し退けながら股間に沈み込んで行き、やがて子宮の底に突き当たって再び動かなくなった。

すると綾乃は抱え込んでいた足をピンと伸ばしてこちらへ差し出すと「電気あんまの要領でやってみて…大丈夫だって!バネ入ってるし…」ともどかしげに命令して、僕が細い両足首をしっかりと掴み更に力をこめて踏み付けてみると、思った通り硬かったバネがギリギリと縮んで行く感触と筋肉の塊である子宮が引き伸ばされてゆく不気味な感触を足の裏に感じさせならディルドは何とか根元まで収まってしまった。

そして折角収まったディルドが押し戻されないよう手早く肛門栓とリングで連結し革ベルトでコルセットに固定した僕が、「人体の神秘というものだねぇ…」妙に感心しながら引き伸ばされた妹の股間をまじまじと見詰めていると、不意に振り向いた綾乃は「ねぇ〜お兄ちゃん…私をスリッパみたいに履いてみたくなったんでしょ?」と図星を突いてきて、焦った僕が「浣腸するんだろ…どうせ…」と誤魔化すように言うと、「さすが血の繋がってる兄弟ね…」とからかうように混ぜ返して答えた彼女は「これよ…」と予想通り外観からして普通じゃない浣腸器を指差した。


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その強制注入機と呼ばれる、今の綾乃のような重力に頼る流下など歯が立たない対象に使う浣腸器は、細長く透明なタンクが丸い金属の底板に垂直に立てて取り付けられ、その接合部の近くからは内蔵されたピストンポンプを動かす足踏みペダルが生えていた。

骨盤が軋みそうなほど穴を拡張した綾乃は、ガニ股でヒョコヒョコと歩いて浣腸器のタンクを覆った金属製のキャップを取り傍らのポリタンクから千CCほど注ぎ込むと、真っ赤でドロドロとした液体を指で掬って僕の目の前に差し出して薬臭い匂いを嗅がせると「これが拷問用に開発された赤7号という浣腸液の原液よ…死刑に使う時は硬化液を混ぜてお腹の中でゼリーみたいに固まらせる事もできるの…」と説明してみせると、「じゃ、これを全部お腹の中へ入れてもらおうかなぁ…」と楽しそうにのたまった。

流石に剣呑な液体を目の前にした僕がチョッと引いていると、それを察した綾乃は「私って発狂するまでに3時間15分…心臓が止まるまでに4時間半も耐えた事があるから大丈夫だって!」と笑顔で恐ろしい事をさらっと言いのけると、「薄めないのか水とかで…」と一応聞いてみた僕の言葉を無視して床へ四つん這いになり、高く突き上げた尻をプリプリと振りながら「早くブチ込んでぇ〜お兄ちゃ〜ん」と色っぽい声を出して僕をからかった。

その場違いともいえる脳天気振りに呆れた僕が浣腸器と肛門栓を硬く丈夫そうな接続カプラ付きのホースで接続し、ペダルを踏み込んで妹の体内へ真っ赤な浣腸液を送り込むと、流石にビクッと尻を振るわせた綾乃は既に超満員状態の腹の中を押し分けて浣腸液が染み渡って行くと体を小刻みに震わせながら切ない吐息を漏らし、やがてその全てが送り込まれてしまうと額にビッシリ脂汗を浮かべた顔で振り向くと恨めしそうに浣腸器を見た。

そして「まぁいいか…」と呟いた彼女は油が切れたブリキのオモチャのように四つん這いで地下室の中央へ移動してゴロリと横たわると、天井を長手方向に走る走行レールの両端に吊るされた電動チェーンブロックから引き出され、床を一直線に這った鎖のフックに引っ掛けられた拘束具を手足に取り付けるよう僕に言った。

それぞれの鎖には革の枷を二つ短い鎖でフック連結した拘束具と、肩幅ほどの長さがある鉄パイプの両端に枷が取り付けられ更にその外側が鎖でフックと連結された拘束具が取り付けられていて、僕が明らかに手首を大して使われる側に足を向けて寝転がっている綾乃の尻を軽く蹴って「おい…逆だぞ…」と注意すると、「こういう風に使うんだから、これで正解よ!」と言い返した彼女は、手足を背中側へ回して体を反り返らせ床の上にOの字を描いてみせた。

「はいはい…駿河問いどころか背骨を折って欲しい訳ね…」と胸の内で半ば呆れた風に呟きながら、足首を鉄パイプの両端に固定し両足の間を通した鎖の先に付いた枷で手首を拘束していると、全く平気な風に軽口を叩いている綾乃の全身が小刻みに痙攣し手足の指がギュッと硬く握り締められているのに気づいた僕は「コイツもそんなに余裕がある訳じゃないんだ…」と密かにうそぶくと、容赦無く責め上げて外聞も無く泣き叫びながら許しを請う姿を目にしたいという想いに囚われていった。

そして手足を拘束し終えた僕が、さて吊り上げるかなと二台のチェーンブロックを操作するリモコンを手に取ると、「まだよ!」と声を掛けて止めた綾乃は25kgと鋳込まれた重りを引きずって来させ、それをコルセットの臍の辺りへ厚い革を重ね取り付けられた金属の輪へ短い鎖で連結させ、ようやく拷問を始める許しを出した。

いざ鎖がチャラチャラと音を立て巻き上げられると、手足が交差した状態で吊り上げられて行く綾乃は背骨をへし折られるような苦痛とそれを源泉とする快感に苛まれて、歯をカチカチと鳴らしながら押し殺した呻き声を漏らし、更に高く吊り上げられついには重りが宙に浮いてしまうと、空中で縦に長い楕円型に引き絞られていた体が今まで以上の強さで上下に引っ張られ、堪らず妹は頭を振りかぶり汗を飛び散らせながら「グェェ〜」という絶叫を上げると、不自然に背中が丸まりビッシリと脂汗に覆われた体を激しく痙攣させた。


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心中密かに妹を屈服させる決意を固めた僕が、ディルドと肛門栓にに内蔵された高周波バイブレータの電源を入れると、膣と肛門の間を隔てる薄い粘膜を貫いて通電し尻の肉をキュッと締めさせた二本の凶器はピンと張り詰めたコルセットをスピーカーのように震わせて、剥き出しの時以上の重低音を地下室に響き渡らせ、綾乃は「ゴグギァァ〜」という異様な呻き声を上げながら内臓をかき回される苦痛に顔を歪ませたが、見る間に乳首を恥ずかしげも無く破裂しそうなほどに充血させ、半開きの口から白痴のようにヨダレを垂らしながらサカリの付いた牝猫のような嬌声をあげながら悶え狂い始めた。

さらにダイアルを捻ると「燃えてる…お腹の中が燃えてるよぉ〜」とかうわ言のように呟いていた綾乃の言葉は、振動が激しくなって行くに連れ「お腹のなか溶けちゃった…グチャグチャに掻き回されてる…掻き回されてるよぉ〜」と訳の分からない物になってゆき、ダイアルを一杯まで捻ってしまうと頭を激しく前後に振って汗を飛び散らせながら「ぎもぢいぃ〜ぎもぢいいよぉ〜お兄ちゃんぁぁん!綾乃の綾乃のお腹を滅茶苦茶にしてぇぇ!殺して!殺してよぉ〜」と狂ったように怒鳴り散らし始めた。

そんな妹の狂態をしばらく放置していた僕は不意にスイッチを切って体内で荒れ狂う凶器を沈黙させると、髪の毛を掴んで乱暴に顔を上げさせ綾乃が不満そうな表情で睨みながら何事か言おうとすると、その機先を制して顔が歪むほどの容赦無い平手打ちを入れ、血が一筋流れ出した鼻を摘まんで口を開かせるて、下着の中で痛いほどに勃起している男根を引っ張り出しそこに捻じ込むと、「舐めろ!上手に出来たら御褒美をやるからな…」と彼女に命令した。

そして「ふふん…」といった笑みを浮かべて綾乃が亀頭に舌をナメクジのように這わせて舐め始め、その脊髄を快感の電流が駆け上がるような余りの上手さにあっさり敗北しそうになった僕は、「何だ!その気の無い舐めかたは!」と叫んで両手で彼女の頭を掴むと、男根で胃袋を突き破るような激しさで妹の頭を激しく揺さぶり、出来る限り耐え抜いた挙句に喉の奥へと臭く恥ずかしい汁を吐き出して、口から引き抜かれた精液で泡立つ亀頭を名残惜しそうに突き出した舌で追って舐め取ろうとする綾乃の頬を平手でヒタヒタと叩きながら「約束どおり御褒美をやろうな…」と告げた。

その言葉どおり部屋の隅へ片付けてあった強制注入機を彼女の目の前へ引っ張り出してきて肛門栓とチューブで再び連結した僕は、「お前のような変態は千CC位じゃ満足できないよなぁ…」との言葉を掛けるて、タンク頂部を覆った蓋を開けポリタンクから真っ赤な拷問浣腸液の原液を刻まれた目盛りの上限である3千CCまで注ぎ込むと、「口から逆流するまでタップリと入れてやるからな…」と宣告すると、さすがに一瞬だけ不安げな表情を浮かべた綾乃を尻目に激しい勢いで浣腸器のペダルを踏み始めた。

もはや一分の隙すら無い腹の中へ浣腸液が押し込まれてゆくと、綾乃はペダルを踏むリズムに合わせて「グェ!」という尻から空気を吹き込まれた蛙が踏み潰されるような絶叫を上げ、やがてワナワナと痙攣する唇から吐血にも似た真っ赤な浣腸液を吐き出し、その強烈な刺激にむせ返って喘息の発作でも起こったように激しく咳き込んで顔を朱に染めた。

さらに千CC以上も注入された浣腸液に臓物を押し潰される鈍い痛みと、腹の底から奔流のように湧きあがってくる快感という二つの波に翻弄されている綾乃に、僕は「お前が小さい頃に遊んでやれなかった罪滅ぼしに、今度はブランコ遊びをしようか…」と囁くと、吊られた体と直角方向の壁に埋め込まれた、人をXの字に拘束するのに使うらしき金属の輪に小型のチェーンブロックを吊るすと、そこから長々と引き出した鎖の先に付いたフックを、細く頑強なパラシュートコードでコルセットの重りを吊るした金輪へ縄尻を引けば簡単に解ける結びで縛り付けると、激しい勢いでチェーンブロックの巻き上げ鎖を引き絞り妹の体を45度ほどに傾ぐまで吊り上げた。


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そして再びディルドに仕込まれた高周波バイブレータの電源を入れ全開にした僕が、大きく見開いた目で虚空をにらみながら苦しげな呻き声を上げ続ける綾乃に「さあブランコ遊びの時間だ…」と告げ、縄尻を引いて斜めに吊り上げられた彼女の体を開放すると、「うあぁぁぁ〜」という叫びを残して空を切り一気に反対側まで振れた妹は、更に余力で振りあがった重りに折れそうなほど折り曲げられた体を激しく引きづられ「グゴギャァァ!」という物凄い断末魔の絶叫を上げると、もはや言葉にならない屠殺される家畜のような咆哮を上げ続け股間から失禁した尿を断続的に吹き上げながら振り子のように揺れ続け、やがてその振幅が収まりだすと白目を剥き口から浣腸液とも吐血ともつかない液体で赤く染め上げられた泡を蟹のように吐いた綾乃は、全身から全く力が抜けダラリと吊り下がったまま死んだようにピクリとも動かなくなってしまった。

その有り様に思わず「勝ったな…」と声を漏らした僕はバイブの電源を切って綾乃を吊り降ろし、床へうつ伏せに横たえた妹の股間から二本の凶器を引き抜くと、彼女の大きく開いたままの肛門からは真っ赤な奔流が激しい勢いで噴出して、その勢いが萎えるのを待った僕は綾乃の背中を足で踏みつけ渾身の力をいれてコルセットの背を閉じている革のベルトを解き放った。

そして綾乃の脚を左右に大きく開かせた僕が、腕を肘の近くまで股間に埋めて水道に繋いだホースを腸内の奥深くまで引きずり込んで蛇口のカランを全開にすると、コルセットの拘束から逃れた腹をいったん大きく膨らませた水道水は、やがて腹圧に負けて逆流し泉のように肛門から湧き出すと床を小川のように流れ、最初は真っ赤だった流れが澄んでくると次第に意識を取り戻した妹は気持ち良さそうな溜め息を漏らしだした。

その切ない声に今だ熱いたぎりが収まっていない性器がまた硬く充血して来るのを感じた僕は肛門からホースを乱暴に引き抜いて、未だクラゲのようにグニャグニャとした綾乃の体を反転させ仰向けに寝かせると、相変わらずパックリと大きく口を開いたままで使い物にならない二つの穴と同様に拡張されている筈だとの確信の元に、妹の小さな尿道口に亀頭の先端を押し当てると、体重を掛けて男根を一気に根元まで捻じ込もうとした。

推測どおり拡張されていた彼女の尿道口は亀頭を痛いほどに締め付けながらもゴムのように伸びて根元まで肉の凶器を飲み込み、まだ生暖かい尿が残っている膀胱に捻じ込んだ男根を出し入れすると、妹のわずか2cm余りしかない尿道は始めて貫かれた彩華の肛門のように精液を搾り出そうかとするように締め付けて、半ば意識が戻った綾乃は切ない吐息を漏らしながら両足で僕の腰を締め付けて、聞いた事も無いような甘い声で「お兄ちゃん…」と呟くと僕の背中に手を回し強く引き寄せて口付けを求めて来た。

そのいつに無くしおらしい態度に油断した僕の唇を舌で抉じ開けた綾乃は不意に精液と浣腸液が混ざった嫌な味がする唾液を口の中へ流し込んできて、僕が慌てふためくとその隙を突いて尿道で繋がったまま体を回転させ馬乗りになった彼女は、「ブランコ遊び楽しかったわ…今までに感じたことが無いようなオルガちゃんが来ちゃって私失神しちゃった…」のたまうと、僕の顔へ頬を摺り寄せながら「そのせいで腰が抜けるまでヤリたい気分になっちゃった…お相手してねお兄ちゃん…」と耳元へ囁き、追い討ちを掛けるように狂気が含んだ声色で「嫌だなんて言ったら、ちんちん噛み千切ってやからねぇ!」と宣言して僕を圧倒すると「臭い汁を最後の一滴まで搾り出してやる!」と言い放って激しく腰を振りはじめた。

時は流れて、ガラスブロックが嵌められた小さな明り取りの窓から差し込む朝の光に照らされながら精根尽き果てて床に横たわり、脇で満足そうな笑みを湛え安らかな寝息をたてる綾乃を見つめながら、この女がとても太刀打ち出来ない怪物であった事を思い知らされた僕は、明日の儀式で人間を辞め奴隷として生まれ変わるというもう一人の幼い妹が遠からず同じような怪物に成長するかと思うと、えらい血筋に生まれてしまったものだと自分自身に同情していた。


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やがて昼近くになって、御本人同様にシオシオな状態になっている股間の「お大事」を鷲掴みにして力まかせに引っ張るという「そりゃ無いぜ…」な手口で、文字通り泥のように眠っていた僕を叩き起こした綾乃は、奇声を上げて飛び起きた兄の姿にひとしきり笑い転げたかとおもうと、まだまだ腹の底から込み上がってくる笑いを押し殺した震える声で「お兄ちゃん起きる時間よぉ〜」と言うと、「兄妹だからってやっていい事が…」という抗議も意に介さず、まるで手綱を引いて牛を従わせるように握った「お大事」を引っ張って僕を浴室へ連れて行った。

そして「もうすぐ始まる儀式でねぇ〜彩華は人間として死ぬ前に女にしてもらう相手を、お父さんにするかお兄ちゃんにするか散々迷った末にお兄ちゃんを選んだのよ…」と因果を含めるように言い聞かせると、風呂嫌いな子供を監視する母親のように細々と指図して体を隅々まで念入りに洗わせ、僕の自宅で手持ちの服を全部出させて散々にケチを付けながら着て行く衣装を決めると、助手席に鎮座した綾乃はカーナビに儀式が行われるという秋月宅の位置を入力し、 車が目的地へと続く私鉄の線路に沿った道に入ると「きょう来る人たちはねぇ…」と儀式について話し始めた。

彼女の言によると参加者たちは三つの集団から成るそうで、先ず一つは小規模ながら先端研究の分野で重要な位置を占める会社を経営する秋月夫妻と一卵性双生児の妹たちと、母方の叔父でその会社の専務でもある則夫氏。幼稚舎から大学まで一貫教育を行う学園の理事長である阪下先生。中堅総合病院の理事長である晴見医師。その甥で後継者として養子に入った院長の義男医師と自宅で産婦人科医院を開業する妻の紗奈恵医師といった、父の姓を名乗り続けたいという妻の意思を尊重して夫が羽曳野の籍に入った秋月夫妻を除いて共に椣原の姓を名乗り下の名前で呼び合う血族で、念の入ったことに旅先で不慮の事故に遭い亡くなった阪下先生と晴見医師の妻たちは、分家である羽曳野家から嫁いで来た実の姉妹だった。

二つ目は単なるプレーなどで満足することの出来ない真性マゾの女性たち。自分の望む快感を得るためには体を不具になるほどに破壊されたり死に至ったりすることも厭わなかったり、火炙りなど残酷な処刑方で殺されたいと望む彼女らは、マニアの間でも浮いて疎外される存在となってしまい、実態を隠蔽するため拷問に近い激しい責めを行っている集まりという欺瞞情報を流している彼らに接触してくるのだそうで、徐々に厳しい責めを加えて行く選別を通った者は「お客さま」として迎えられ、彼女たちが望むがままに拷問を加えられたり、処刑される日を指折り数えて待ったりしているのだとか。

そして三つ目は、阪下先生と晴見医師が共同で行っているという、様々な理由により児童養護施設で暮らす年若い娘たちを寮に住まわせ、阪下先生の学園に設けられた特設クラスで看護士や医療技術者や医師へと養成し自立を支援するという助成プログラムの合格者の中に紛れ込ませた、真性マゾの素質を秘めた娘の中から数年を掛けて慎重に選抜され、紗奈恵医師の産婦人科医院と地下に存在する秘密の医療施設でスタッフとして働く数人の女性だった。

「拷問で傷ついた体を治療してるだけじゃなく、奴隷どころか単なる物として扱われたくて、手足を切断してもらった女の子に人体実験に使う子供を産ませたりしてるからねぇ…」と更に語り続ける綾乃の言葉を聞きながら、彼女の話から想起される映画ホーリーマウンテンで聖なる山の頂上に居る九人の賢者から不老不死の秘密を奪おうと旅する現世の権力者たちにも似たイメージと、綾乃の調教記録画像に若き日の姿を残しているという阪下先生や晴見医師を結び付けられないで居た僕は、率直にその疑問を妹に投げ掛けてみた。

「お兄ちゃんがそう思うのは当然ね…」と僕の言葉を受けた綾乃は、くだんの助成プログラムが元々は事故で妻子を失った二人が心の空虚さを埋めるために始めた物であり、それが秘密を共有する医療スタッフをも選抜するという目的を加えたのは、今は婦長として働く七枝という病的なマゾの少女が初期の選抜者の中に偶然存在していた事が切欠であるという話を引き合いに出すと「信じ難いでしょうけどね…」と前置きして、彼らが人の道を踏み外した人倫に劣る倒錯者であると同時に人望を集める人格者であり、自己矛盾という言葉が受肉化したような存在である事を僕に説いて聞かせ、「遭ってみればお兄ちゃんも納得するわ…」と話を締めくくった。

「そういうものかねぇ…」と少し懐疑の念を含んだ言葉を漏らした僕が運転する車は、この地区の中心的な位置を占める目的の街へ着くと、駅前のビルが立ち並ぶ商業地区がある丘から隣の丘に広がる住宅地区へと向う道を進み、洒落たカフェや雑貨店が点在する浅い谷の底で脇道へと入ると、両岸に遊歩道が整備された小川に沿ったその道を少し進み、道路脇の緩い斜面が垂直に近い角度へと急に転ずる辺りに建つ秋月邸の裏側で路肩に寄せて停まった。

そのコンクリート製の小さなビルは15mほど上をこの道と並行して走る道路を境にして、下半分が掘削された斜面に背面の壁を残して埋まった構造で、上部に比べ倍の幅がある半地下部分には大小二つ並んだシャッターで閉じられた出入り口以外は一切開口部が無く、携帯電話を取り出した綾乃が親しげな口調で到着を告げると、小さな出入り口側のシャッターは低いモーターの唸りと共に巻き上がり、「あそこに入れて…」と妹が指差す薄暗い空間に僕が車をバックで滑り込ませると、すぐにシャッターは重々しい響きを立てながら閉じた。



つづく。。。